2022年12月16日の正午から「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の運用が始まりました。
運用開始時は北海道のローカルニュースでも放送されていましたが、それ以降ぱったり聞かなくなった北海道・三陸沖後発地震注意情報。
「浸透する前にもはや忘れられているのでは?」と思わずにはいられないので、ミニチュアを使いながら分かりやすく解説します!
北海道から千葉県にお住いの皆さん、その日はいつか来ます。
考えるのも恐ろしいですが一緒に避難準備・備蓄を行いましょう!
北海道・三陸沖後発地震注意情報とは
「北海道・三陸沖後発地震注意情報」とは千島海溝と日本海溝沿いでマグニチュード7クラスの地震が発生した場合、続いて発生する可能性のある巨大地震への注意を呼び掛けるものです。
過去には2011年3月9日に東北地方でマグニチュード7.3の地震が発生し、その2日後の3月11日にマグニチュード9の東日本大震災が発生しています。
このように巨大地震が発生した際の被害を少しでも軽減させるため、千島海溝と日本海溝沿いでマグニチュード7が発生した場合には「北海道・三陸沖後発地震注意情報」が発表されることとなりました。
地震発生から2時間後までに気象庁が揺れの規模を精査し、マグニチュード7以上だと注意情報を出す。1週間地震がなければ「注意すべき期間は終了した」と発表するとのことです。
確実に後発地震が起きるわけではありませんが、「もしもの時にただちに避難できるようにしてください」と注意喚起の意味も込めて注意情報が発表されます。
あくまでも、注意を呼び掛けるものです!
注意情報 対象地域
「北海道・三陸沖後発地震注意情報の対象地域」は北海道、青森県、岩手県、宮城県、福島県、茨城県、千葉県の計7道県の182市町村が対象です。
北海道 対象地域
北海道は63市町村も対象となっています。北海道の下半分がほぼ対象…。
以下、北海道の対象地域です。
東北地方 対象地域
東北は計96市町村が対象地域です。
関東地方 対象地域
関東地方は計23市町村が対象です。
以上182市町村が北海道・三陸沖後発地震注意情報の対象となっております。
しかし、対象地域が分かったところで
住んでいる地域が対象となっているけど、結局何をしたらいいの?
注意情報が発表されたら会社に行かない方がいいのかな?
と、分からないことが多いですよね。実際に北海道・三陸沖後発地震注意情報について住民へ浸透されていないようにも思えます。
こちらは気象庁公式Twitterでのクイズですが、多くの方が「後発地震はほぼ確実に発生する」と回答しています。
【 #地震 クイズ】日本海溝・千島海溝沿いの想定震源域及びその周辺でM7.0以上の地震が発生した場合に発表する「北海道・三陸沖後発地震注意情報」の運用を12月16日から始めます。この地域で、M7.0以上の地震の発生後1週間以内にM8.0以上の大きな地震はどのくらいの割合で発生するでしょうか。
— 気象庁防災情報 (@JMA_bousai) December 15, 2022
正解は「D 約100回に1回」ですが、この結果を見る限り北海道・三陸沖後発地震注意情報に対する正しい情報が周知されていないですよね。
北海道・三陸沖後発地震注意情報は「少しでも甚大な被害を軽減させる目的」で発表されます。確実に後発地震が起きるわけではないですが、被害を軽減させるためにも私たちは事前に準備することが必須となります。
備蓄・避難の事前準備の必要性
北海道・三陸沖後発地震注意情報が発表された時の特徴として、
- 自治体は住民に対して事前避難を呼びかけない
- 1週間程度は日常生活を行いつつ、津波が想定されるなど避難が必要な際はすぐに行動できるようにする
- 津波や土砂災害が想定される場所での作業は控える
以上3点が大きな特徴となります。
後発地震注意情報が発表されているにも関わらず「1週間程度は日常生活を行いつつ」って物凄く怖いですよね…。
1週間以内に来るかもしれない後発地震に怯えながら生活するのは本当に辛いことだと思います。
その恐怖と戦うためにも、備蓄・避難できる事前準備が大切です!
枕元に防災グッズを置く
就寝中に後発地震が発生するかもしれません。
特に就寝中は部屋を暗くしているため、後発地震により停電が起きるとどこに何があるか分からなくなるでしょう。
枕元に防災リュック、靴、防寒具などの上着、ヘルメット、貴重品を置いて寝ると安心です。
そして寝づらいとは思いますが、パジャマやルームウェアではなく、すぐに逃げられるような服装で就寝するとより迅速に行動ができます。
防災グッズを常に携帯
北海道・三陸沖後発地震注意情報が発表されても、事前避難は行わず1週間程度は日常生活を行うことになります。
ということは学校・仕事は通常通りあるでしょう。
外出中・通学通勤中に後発地震が起きる可能性があります。
自宅にだけではなく、外にいる時も迅速に避難ができるよう常に防災グッズを持ち歩きましょう。
貴重品、水、缶詰パンやえいようかんなどすぐに食べられるもの、ポータブル充電器、非常用ライトなどがあると安心です。
緊急情報の確保
緊急情報を取得できるよう、ラジオを必ず用意しましょう。
スマホでも情報収集はできますが、後発地震後に停電が発生するとインターネットに繋がりにくくなります。
停電時でも確実に情報収集することができるラジオを事前に準備してください!
ラジオには手回し式・電池式があります。手回し式は手が疲れる・ハンドルを回すときに音がうるさいので、電池式がオススメです!
電池式を備えるときは電池の備えも忘れずに!
事前に避難経路の確認
自宅・学校・勤務先から避難する際の経路を事前に確認しましょう。
ハザードマップで避難経路の土砂災害、津波などの災害リスクを確認することもできますが、実際に避難経路を歩くことも大切です。
平常時に歩いて確認することで気づける危険があります!
「ここに塀があるから避難する時は近づかないようしよう」「このビルはガラス張りだから地震が発生するとガラス破片が飛び散るかも…」など、避難経路を歩きながら災害リスクを想像しましょう。
備えの再確認
後発地震が発生し、いざ避難しようにも家具が転倒していたら避難の妨げとなります。
せっかくの北海道・三陸沖後発地震注意情報が無駄となってしまうので、家具の転倒防止を必ず行いましょう。
そして、備蓄の見直しも大切です。
賞味期限は切れていないか、家族分の食料・水・簡易トイレがあるか、など備蓄を見直ししましょう。
まとめ
- 枕元に防災グッズを置く
- 防災グッズを常に携帯
- 緊急情報の確保
- 事前に避難経路の確認
- 備えの再確認
以上5点をご説明しましたが、こちらは北海道・三陸沖後発地震注意情報が発表されたときだけではなく、日頃から行うべき項目となっています。
「地震がきた!注意情報が発表された!どうしよう」と焦らないよう、常日頃から準備をしておきましょう。
常に災害を意識をして備えることで、もしもの地震にも慌てずに行動することができます。
私は札幌市在住なので今回の北海道・三陸沖後発地震注意情報は対象地域ではないですが、千島海溝沿いの巨大地震が発生すると札幌も一部地域は震度6以上と研究結果があります(日本海溝・千島海溝沿い巨大地震と事前復興まちづくり 参照)。
対象地域ではないから大丈夫でしょ!
と安心せず、必ず備蓄・避難の事前準備を行うことが大切です。
備えが災害時も必ず助けてくれるでしょう…!