防災グッズが好きすぎて2019年の春に思い切って日本防災士機構が行っている研修を受講・試験を受け、防災士の資格を取得した私が、講習内容や試験について解説します!
防災士資格の取得を考えている方々に少しでもお役に立てれば幸いです。
防災士とは?
防災士とは「自助」「共助」「協働」を原則として、社会の様々な場で防災力を高める活動が期待され、そのための十分な意識と一定の知識・技能を修得したことを日本防災士機構が認証した人のことを言います。
講習・試験を受け、防災の意識・知識・技能を持っていることを認証する民間の資格となり、2019年12月時点で185,249名の防災士が認証されています。
防災士の活動
防災士には平常時と災害発生時、発生後の活動が期待されています。
※災害発生時とは、地震・水害・火山噴火・土砂災害などの災害を言う。
平常時の活動
- 防災知識を活かし、防災について家族や友人、地域社会、職場に広める啓発活動を行う
- 災害に備え、避難場所や安保確認方法の確認をする
- 防災講演会や講習会を行う
災害発生時の活動
- 消防や自衛隊が到着するまで、消火活動や救出救助を行う
- 家庭や地域の安否確認をする
- 避難指示を周囲に伝え、避難行動を呼びかける
災害発生後の活動
- 帰宅困難者の支援や避難所で防災ボランティアを行う
- 自治体などへ正確な被災情報の発信
- 救助物資の受付・仕分け・輸送に協力する
防災士の役割
防災士は民間の資格です。
災害時の活動に権限や責任はなく、あくまでも個人の意思によるボランティア活動になります。
防災に対する知識を高め、志と使命感をもって活動することが期待されています。災害時には防災リーダーとして自発的にボランティアに取り組み、自治体やボランティアの方々と協働して活動していきましょう。
防災士になるには
防災士になるには、まず講座を受講する必要があります。手順は以下の通りです。
- 日本防災士機構が認証した研修機関が実施する「防災士養成研修講座」を受講
- 防災士資格取得試験を受験
- 救急救命講習を受講し、修了証を取得
- 日本防災士機構へ「防災士認証登録申請」を行う
日本防災士機構が定める「防災士養成カリキュラム」に基づき33講目の研修を履修が必須となります。
防災士養成研修講座で31講目の履修、救命救急講習で2講目を受講します。
以上の手順を踏み、晴れて防災士となります。
研修申し込み・受験料
防災士養成研修講座を履修するには、まず防災士研修センターから申し込みが必要です。
ここ数年、防災士資格を取得する人が増えているため、研修講座日程が発表されるとすぐに満席・キャンセル待ちとなるケースがあります。詳しい研修日程は以下のサイトからお調べ下さい。
また、資格取得に必要な料金は61,900円です。
防災士研修講座受講料53,900円、試験料3,000円、資格認証登録料5,000円が内訳となっています。
助成制度もあるので、一度お住いの自治体にお問い合わせをオススメします!
ステップ1 防災士養成研修講座
防災士養成研修講座は防災や災害の専門家が講師となり、2日間の日程で31講目のうち最低でも12講目以上を講義形式で履修します。
防災士養成研修講座 事前準備
防災士研修センターから講座を申し込むと、防災士教本と試験対策ブックが届きます。
防災士教本は約350ページとかなり分厚く重たいです!
また、研修日初日に提出する「履修確認レポート(課題)」も一緒に届くので、忘れずに取り組みましょう。
課題って難しいんじゃ…。
ご安心ください!課題は穴埋め形式なので、防災士教本・試験対策ブックを勉強すると必ず解ける内容です。しかし、万が一基準点に満たなければ再提出らしいので、届いたテキストをじっくり読んで解いて下さいね。
防災士養成研修講座 当日
私が受けた2日間の研修は以下の日程となっていました。
1日目 | 2日目 |
9:00~9:15 受付 | 9:00~9:15 受付 |
9:15~9:30 オリエンテーション | 9:15~9:25 防災士制度の紹介 |
9:30~12:50 講義(3講義) | 9:30~11:40 講義(2講義) |
13:50~16:00 講義(2講義) | 12:40~16:00 講義(3講義) |
16:10~18:20 グループワーク | 16:20~17:20 防災士資格取得試験 |
こちらの日程は私が当時受けたものなので、現在とは異なる可能性がありますが、大まかな時間割は変わらないかと思われます。
試験に向けた講義というよりは、地震や土砂災害、気象災害、火山噴火といった自然災害について知識を高める講義の印象を持ちました。もちろん、とても興味深く勉強になる講義でしたが、事前に試験に向け予習をしておいて良かった…!と当時思ったのを覚えています。
防災士養成研修講座を受けるにあたり、勉強しなくても受かるといった口コミを多数見ましたが、届いたテキストの分厚さを見て「これは勉強しなきゃ無理だ!」と思い、試験対策ブックで問題を解きまくりました。
ステップ2 防災士資格取得試験を受験
試験は、研修2日目の最後に行われます!
私はこの研修の為に札幌から東京へ交通費をかけて行ったので、絶対に落ちたくない!と執念で休憩時間も勉強していました…。
試験時間は50分。出題は30問と少なめです。
80点以上(24問正解)で合格なので、試験対策ブックで研修前に事前勉強をしましょう。何問か応用問題・ひっかけ問題もありましたが、試験対策ブックからの出題が多かったです…!このテキストで勉強をすれば、ほぼ合格間違いないはず。
ステップ3 救命救急講習を受講し、修了証を取得
消防署・日本赤十字社などが主催する「救命救急講習」の受講が防災士資格取得に必須!
心肺蘇生法やAEDを含む3時間以上の救命救急講習を受けると、その場で修了証を貰えます。
しかし、日本防災士機構が防災士認証要件として認めている救命救急講習もあるので、「心肺蘇生法やAEDを習ったことある」という方は一度、日本防災士機構にお問い合わせした方が良いでしょう。
救命救急講習で何故か貧血を起こし、途中退席になりそうでした…。自治体により1ヵ月に開催される日は決まっているので、体調にはお気を付けください!
ステップ4 日本防災士機構へ「防災士認証登録申請」を行う
試験後約1週間ほどで日本防災士機構より合否が郵送されます。合格し、救命救急講習を完了した方はやっと日本防災士機構へ防災士資格認証登録が可能となります!
必要書類
- 写真2枚(カラー、無背景、3cm×2.5cm)
- 救命救急講習の修了証 両面コピー
- 防災士認証登録申請書 ※研修会場でもらえます
以上3点を「簡易書留」で防災士研修センターへお送りします。
写真は防災士証に使われるので、証明写真機より写真館等で撮影してもらった方が写りが良いかも…。
認証登録スケジュール
防災士認証登録は毎月23日に実施されます。
23日に防災士研修センターに届いた書類(写真・救命救急講習修了証コピー・防災士認証登録申請書)が、翌月末の認証登録対象となり、翌々月初めに防災士証が届きます。
4月23日までに郵送→5月末に認証登録→6月初めに防災士証届く
郵送が24日以降となった場合は、翌々月の認証対象になるので注意です!防災士証が届くのが遅くなります!書類が揃い次第、お早めに郵送しましょう!
まとめ
冒頭でも述べたように、防災士はあくまでも民間の資格です。権限・権利、責任はなく、防災のプロではありません!
しかし、防災や災害に対する知識を身に付けることで、災害時に適切な行動を取ることが出来るでしょう。自分の身は自分で守り、防災リーダーとして地域・自治体で積極的にボランティア活動を行うことを前提とした資格となっています。
研修で得た防災知識を活かし、防災について家族や友人に広めることで、周囲と連携した防災対策を実施することが可能です。
資格を取得した際は防災リーダーとしてご活躍できるよう、正しい防災・災害知識を習得しましょう!